ブリキのジョウロの修理を承りました。英国旅行で買われた思い出の品で、修理代がかかっても直したいとのご意向。
ジョウロとはいえ、高級品です。
下地処理、再固定がすんでから慌てて写真を撮ったので、破損状態の写真がありませんが、本体水入口側と漏斗先端側をつなぐ補助パイプが外れていました。
接合部をよく見ると、ハンダ付けが非常に甘く泡立ったような状態。そこへ塗料が入り込んでおり、ほぼ固定力のない状態でした。
このまま、エポキシで接着してしまえば、見た目上は問題ない。でも、水を入れて使えば、接着剤では早晩また外れてしまうでしょう。なので今回は、強度も考え、再ハンダ付けすることにしました。
まずは、先端側・水入口側ともに接合面をキレイに。古いハンダを取り除きつつ、加熱で焦げてしまう範囲の塗装をペーパーで剥き、地の金属をあらわにし、密着性を調整します。
水入口のフチ形状から、パイプ側の爪が逃げ勾配になっていたので、これもついでに少し内側に曲げて組み付け、接合部にはフラックスをたらしておきます。
これだけの金属量・表面積、キレイにハンダを回すにはハンダゴテでは熱量が足りませんので、ガストーチで接合箇所をあぶりながら、溶けたハンダを行き渡らせました。
見た目の調整のためハンダゴテでハンダを少し盛り付けて、棒ヤスリ・ペーパーにて整形。
――ここまでを済ませたのが、Before写真。塗装工程を経て完成です。
思い出の品を再生できて、こちらもうれしい気持ちになりました。
ご用命、ありがとうございました!
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